「初めてのセックスは好きな人とした方がいい」
とよく言われます。
僕も、女性向け風俗ムツゴトを始めるまでは、何の疑いも無くそうと思っていました。
お店を始めて最初の頃は、処女のお客様からお問い合わせをいただいても、
「初めては大切だから、好きな人とした方がいいですよ」
と、お断りしていたほどです。
それでも、どうしても利用したい、処女で悩んでいて、自分ではもうどうにも解決の糸口が見つからないのでお願いしたいと言われることが多くて、
そこまでおっしゃるならと、お引き受けしていました。
ムツゴトの処女の方専用バージンコースは、このような経緯で生まれました。
「初めては好きな人とした方がいいのか」という問いに戻ると、
僕ももちろんそれが望ましいとは思います。
ただ、そうでなければダメだ、好きな人とでなければセックスしてはいけないと、自分に科してしまうと、処女の方の場合、1ミリも進むことなく、すべてが止まってしまいます。
それが問題だと、僕は思います。
好きな人、運命の人でなければ、セックスしてはいけないと、自らに呪いをかけて、大人の女性への成長の機会を逃してはいないでしょうか?
「初恋は叶わない」と昔から言われます。
心の底から愛する、運命の相手とセックスをして、めでたく結ばれればいいけれど、そんなおとぎ話のようなことは滅多にないわけです。
ひとりの人と深い仲になるというのは、お互いにすり合わせたり、譲ったり譲られたりしながら、信頼関係を築いていくものだと思います。
そのすり合わがうまくいかなくて別れるというのは選択肢の1つに過ぎず、決して失敗ではありません。
セックスしたり、デートをしたり、ときに失恋したりしながら、徐々に女性は成熟していきます。
「好き」か「嫌い」かの白黒思考ではなくて、グレーな部分も受け入れることができる、本当の意味での優しさや、包容力を身につけていけると思います。
もう一つ僕が強く感じるのは、
「恋愛とセックスを結びつけすぎると不自由になってしまう」ということです。
例えば、
「好きな人としかセックスしてはいけない」
「好きだったら気持ちよくなるはずだ」
「彼とのセックスが痛いのは、私の気持ちが足りないからだ」
「私のことが嫌いだからセックスレスなんだ」
など、例を挙げれば、きりがありません。
セックスはセックスとして楽しむ。
恋愛は恋愛として謳歌する。
そんなふうに考え方をシフトするのもいいのではないかと僕は感じています。
物事は「白」か「黒」かだけではありません。
グラデーションの部分をありのまま受け入れられるようになると、少し気が楽になるかもしれません。