もてあましてしまう自分の中の『女』

『女』であるから、いつも男性に人生を曲げられてしまっている

日本の社会の中で女性は、親・彼・上司・夫などの男性から相反する期待(ダブルバインド)をかけられやすい傾向にあると思います。
自分の中の「悪い子」を受け入れ、自分らしい人生を歩み始めた女性がいます。
僕のお客様であるWさん(42歳)を例に、女性がかけられるダブルバインドについて考えて行きたいと思います。

悲しくもないのに涙が止まらない

Wさんは、メーカー系の企業で働きながら、小学生のお子さんを育てるシングルマザーです。
30代前半にうつ病を発症し、精神科で投薬中心の治療を受けていました。
「悲しくもないのに、涙が出てしまう。自分でも、何が辛いのかわからないんです」
初めて出会ったとき、Wさんは肩を震わせながらこう言いました。ベッドの中で彼女は、僕にいろいろな話をしてくれました。職場での人間関係の悩み、元夫によるDV、親との不仲、子どもの教育問題など、Wさんの悩みは多岐にわたり、しかも複雑に絡み合っていました。

もてあましてしまう、自分の中の『女』

「前の職場を辞めたのは、上司からレイプされそうになったことが原因でした。元夫は暴力を振るう人でしたし、二十代の頃には、ストーカーにあったこともあります。たぶん、私は、性的にゆがんでいるんだと思います。そのゆがみが、ある種の男性を引き寄せてしまうのかもしれません」

確かに小柄で色の白いWさんは、同年代の女性と比べても、かなり若く見えます。少女がそのまま年を重ねたような、はかなげな雰囲気があり、僕から見ても、魅力的な女性でした。でも、積極的なタイプでは全くないので、彼女の方から男性に気を引くような行為をしているとは、僕には思えませんでした。
おとなしそうなイメージがあるので、「強く言えば文句を言わないだろう」よこしまな興味を抱いている、ある種の男性のターゲットになってしまうだろう事は、なんとなく想像できました。
だから彼女自身に何かの責任があるとは、僕には思えませんでした。

結局のところ私が悪いんです・・

Wさんは、「結局のところ自分の態度に問題があった」「私の方が悪いんです」ということをいつも口にしていました。・・・(全く関係ないのですが、お客様と接していて自分のことばかり責めてしまっている女性の方は多いことが気になります。例えば、電車で痴漢にあったら、その男性が欲情してしまうような服装をしていた自分が悪いのだと責めるようなものです。言うまでもなく100%痴漢に責任があり、裸で歩いているのではない限り、女性に責任はないのです。)

「全部私が悪いんです。私が優柔不断で、あいまいな態度を見せるから、男の人に勘違いをされてしまう。
よく考えると、『人間』として好かれることと、『女性』として好意を持たれるのは、別ですよね。でも、私は無意識に、『女』として気に入られようとがんばってしまう。男性に対して、引き金を引いているのは、いつも私のほうなんです。」

「人間」と「女性」は切り離せない。部下や同僚の女性を、「すてきな女性だな」「守ってあげたいな」と思うのは、男性にとって、何ら不自然なことではないでしょう。逆に、まったく女性として見ずにいるほうが、難しいのではないでしょうか。

「女として好かれるように努力しながら、好意を持たれると『女として見られるのは嫌だ。セクハラだ』って言うのは、わがままですよね。でも、私は男性との関係を築くために、結果として『女を使う』以外の方法がわかっていないのかもしれません」

生きてゆく中で『女』を世の中とどうすり合わせて行くのか

Wさんと同じような悩みを抱える女性は少なくないです。バージンのお客様などからよくこのような話を打ち明けられます。自己評価が低く、ちょっとしたことでもひどく落ち込んでしまう女性の場合、男性側が強く出てくると、それがいかに理不尽なことであっても受け入れてしまっているケースが多いようです。

働く女性にとって、『女』の使いどころは悩みのタネです。上手く使えば、「気遣いができる」「優しい」などとほめられますが、一歩間違うと「媚を売っている」「俺に気があるのではないか」と勘違いされてしまいます。
「女らしさ」を処世術として割り切り、バランスよく使っている女性も多いですが、うまく調節できなかったり、自分で納得できなかったりすると、悩んでしまうことになります。
「モテてうらやましい」「女子力が高い」というのは、Wさんのような女性にとって、何のなぐさめにもならないのです。

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>30歳女性の3人に1人が処女・バージン

30歳女性の3人に1人が処女・バージン

30歳女性の、3人に1人は処女といわれています(性経験のない女性の割合は、25~29歳で32.6%、30~34歳で31.8%〈2015年厚生労働省出生動向基本調査〉)。

恋愛もセックスも自由な今、3人に1人という数字は意外と多いと感じられる方が多いかもしれません。
「機会がない」「セックスしてもいいと思うような相手がいない」「その気になれない」など、その理由はさまざまですが、実は少なくない女性が「男性嫌悪や不信」「性的なトラウマ」「痛みや出血への恐怖」などの悩みや不安を抱えていることはあまり知られていません。

年齢を重ねれば重ねるほど、処女の十字架は重く女性にのしかかっていきます。
ある40代の女性は、処女であることについて、「40歳でバージンなんて正直気持ち悪いし、引くと思います。だからこれは、絶対誰にも言えません。私ひとりで抱えるしかない最重要機密です」とおっしゃっていました。
処女という十字架を背負っているのは、決してあなただけではないのです。

女性用風俗ムツゴトのお客様で30代のバージン女性、仮にA子さんとします、はこんなことをおっしゃっていました。
「私は処女、恋愛経験もゼロで、彼氏がいたこともありません。仕事に追われて、家に帰って寝るだけの生活。自信が持てなくて、家庭を持つ女性にいつも劣等感を感じていました。このまま異性と一切無縁の人生を送るかと思うと、絶望的な気分になります」

常に『女性としての自分に自信が持てない』『消えてなくなってしまいたい』という強迫観念にかられ、未経験であることについて、なんとも説明しがたい心のわだかまりがあったとA子さんは言います。
ベッドの中で抱き合った後、A子さんは「ずいぶん久しぶりに、人に甘えたような気がします」
と、ため息を漏らしました。

A子さんは、「『女』を出してはいけないと、ずっと自分に言い聞かせてきました。人に頼ったり、甘えたりしてはいけない、そんなことをしたら自分がガラガラと崩れてしまうと思い込んでいました」と言います。
「怖かったですか?」 と、聞くと、
「いえ、実際、怖いことは何も起こらなかったし、弱い面や、もろいところも含めて、私は私のままでいいと思うことができました。自己否定の固まりだった自分を、少し肯定できるようになったような気がします」
とおっしゃいました。
処女をいつ卒業するかは、個人的な事情であり、これまで機会がなかっただけで、何歳であっても、まったく遅くはありません。

30代、40代以上で処女の方は特に、人一倍まじめで、努力家の方が多いように感じます。自分の楽しみは後回しにて、人のため、会社のため、家族のために時間を使ってきたのではないでしょうか。
明日からはどうぞステキな時間を過ごされることを、自分で自分に許してあげてください。